「これからの広告」の教科書/佐藤達郎を読んだので引用する
人はいつも理性的にモノを買うとは限らない
ブランド・ウィルを前面に出して定着させれば、もう真似されない
人は思いの外「なんとなく」ものを買うからです。なんとなく「好き」だから買います。なんとなく「賛成できる」から買うのです。
自社ウェブサイトを始めとするインターネットには、広告を贈る側から見て、従来の広告とは異なる3つの特徴があります。
ひとつは、マスメディアのように広告以外絵人が見たいと思う番組や記事が存在しないので、広告自体が見たいと思われる存在でなければならないこと。
2つめは、テレビや新聞など広告を載せて受けてまで送り届けてくれる者が存在せず、クリックなどの能動的アクションを通じ広告自体を目指して、向こうから来てもらわなければいけない、ということ。*1
3つめは、向こうから来てもらうに値する広告(コンテンツ)を作れたとしても、その存在を知ってもらう必要があり、そのためには消費者たち自身の手でかくさんしてもらわなければならない、ということです。
「360°コミュニケーション」というのは、テレビCM、ポスター、ウェブサイトなどはもちろん、店員の服装やセールストーク、うわさばなしまで、「360度あらゆる顧客接点」を考慮し、課題や予算や状況に応じた顧客接点を抽出し、活用することを言います。
広告を恋愛になぞらえることはOKだとしても、 いまどき、ラブレターなんて書きませんよね。「いきなりの告白」そのものが、もてないタイプの人が やることなのではないでしょうか。ましてや「自分の良いところ」をこれみよがしに自分から語る人なんてイヤでしょう?
広告という告白の場で、いきなり「こんな風に良いんです。こんな風に便利です」と語りかけるのは、いきなり告白を始め、しかも自分の長所をまくしたてて、相手に引かれてしまうモテナイ君と同じ振る舞いでしょう。
そうではなく、イイ時間を 一緒に過ごすことから、すべては始まるはずです。
昨今の広告・マーケティングの分野では、このような「イイ時間を一緒に過ごす」というやり方を、エンゲージマネジメント=関係構築などと呼んでいます。最終的に商品を買ってもらうためには、こうした関係構築の努力が欠かせないと認識されているのです。
人々は、その広告コミュニケーションに対して、「広告として優れているか?」と考えて接するのではなく、「自分にとってどういう意味があるのか?」という視点で接する
もはや情報そのものに希少性はなく、情報は圧倒的な買い手市場であり、受け手に主導権がある
「受け手が見たいもの」じゃないと、見てもらえない時代
こんな時代には、受け手が「広告かぁ」と思った途端に、脳内スキップされたり、リアルに飛ばされる可能性が高まります。そうなると、ライバルは、番組そのものであり、もしくはYouTubeの素人投稿ということになります。
一発の広告コミュニケーションを見て、「よしっ、これは買わねば」などと思うのkとなんて、めったにありませんよね。受け手としての自分を考えてみても、そうではありませんか?
中長期的な繁栄を目指すためのファンの活性化が、ひとつのキーになる
消費者のことを、「ただ商品を買ってくれる人」ではなく、その商品・ブランドをめぐるコミュニティ(ブランド・コミュニティと呼ばれます)の一員だと捉える必要があります。
全てこちらからの引用
本の中では、過去の広告のセオリーと現代の広告のスタイルを対比した形で表現してくださっていて、とってもわかりやすく面白いです。
佐藤達郎
オフィシャルサイト
PROJECT Design Office of Tatsuro Sato 佐藤達郎デザイン事務所
hinasoyo(@hinasoyo)さん | Twitter
対談
佐藤達郎×川上徹也「『これからの広告』はどっちだ !? 」〜消費者への積極的な"謎かけ"|SENSORS(センサーズ)|Technology×Entertainment
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*1:youtubeの動画再生前の広告は例外的ですね